POP2*5

過去にはてなダイヤリーで連載してた連載コラムのアーカイヴです。

■世界一使えない編集者入門(覚え書き)

Perfumeが出てこない「Perfumeマンガ」その2

時は20XX年。タイレル社が製造した未来型ロボット「レプリカント」3体が行方不明になった。特捜刑事デッカードは彼女らを追う(村井国夫の吹き替えで読んでね)。 未来なのにフォートランで駆動する旧型パソコン「エスパー」を勝手にインターネットに接続し…

『イエロー・マジック・オーケストラ』(アスペクト)について

イエロー・マジック・オーケストラ(第2版)作者: 細野晴臣,高橋幸宏,坂本龍一,インタビュー/ライティング:田中雄二,装丁:羽良多平吉+原田光丞+米倉みく@EDiX出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2008/01/16メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 85回この商品…

異種格闘技戦「文章VSイラスト」もし戦わば!

普段の編集の仕事で私は、字数制限を守って文章を書いている。少ない文字数でまとまった論旨を書くにはそれなりにコツがあるが、20年の編集者人生のうち13年も週刊誌をやっていたので、頭の中でフローを固める時間が必要なぐらいで、普通に文章を書くのとそ…

Perfumeから始まって脱線しまくりの「当世プロデューサー論」

Perfume 〜Complete Best〜 (DVD付)アーティスト: Perfume出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ発売日: 2007/02/14メディア: CD購入: 31人 クリック: 1,676回この商品を含むブログ (672件) を見る (1) 年またぎでPerfumeについてダラダラと…

『レコードコレクターズ』連載「アルファの宴」について記す。

すでに一週間以上が経つというのに、またイベント後日談ネタになってすまぬ。先日、12月8日、9日に行われた拙者取材のイベント「POP2*0ナイト」には、会場に多くの業界関係者、ミュージシャンの方にわざわざご来場いただいた。当然のようにこちらはお名前を…

和田靜香『「プロ患者学」入門』(扶桑社文庫)

久々の更新で申し訳ありませぬ。今回は明日発売の1冊の本を紹介する。著者は、『ミュージック・マガジン』などで健筆をふるう音楽評論家の和田靜香氏。クラウデット・ハウスとR.E.M.をこよなく愛する、拙者と同学年のベテラン音楽ライターだが、本書はそんな…

誰でも上達する! POP2*0的「マンガの描き方講座」PART3(キャラ図鑑編)

今から20年前、私がアニメ雑誌『ニュータイプ』の編集をやっていたころ、社員として所属していた編集プロダクションにちょっと面白い常連客がいた。社長の大学のサークルの先輩にあたる人で、当時は某大手音楽出版社Yの社員だったK氏という人物である。ちな…

誰でも上達する! POP2*0的「マンガの描き方講座」PART2

やむを得ぬ事情があり、年末から突如復活したこのブログ。更新をサボっていた2ヶ月間、何をやっていたかとよく聞かれるのだが、単に本業で忙しかっただけでありまする。編集者生活20年目にして単行本の編集は未曾有の体験なので、とにかくなんでもやってまし…

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

2007年の幕開け。当ブログを始めて最初の年越しとなった。改めて、今年もよろしくお願いしまする。本日届いた郵便の束の中に、昨年初めて仕事をしたミュージック・マガジン社からの年賀状が……。昨年、拙著『電子音楽 in the(lost)world』のプロモーションの…

無題:中野坂上ジョナサンにて。名優・藤岡琢也に追悼。

丹波哲郎に続いて、藤岡琢也も逝去。昭和の名優が次々と鬼籍に入っている。藤岡琢也と言えば『渡る世間は鬼ばかり』や「サッポロ一番」のCMで認知があるだろうが、私にとって印象深かったのは、25年前にやっていた森繁久彌主演のドラマ『天山先生、本日も多…

課題をもらったので、iPodによる音楽業界の影響について考えてみた。

ドラマ『のだめカンタービレ』第1話を見た。視聴率的にも健闘したみたいだし、まずまずといったところか。フェアじゃないかもしれぬが「ありものをドラマ化した」ということで、先週スタートした長澤まさみ主演『セーラー服と機関銃』と比較しちゃうと、やっ…

無題:中野のロイヤル・ホストにて、明日の仕事の資料作成中

ブライアン・デ・パルマの待望の新作『ブラック・ダリア』がもうすぐ公開。『LAコンフィデンシャル』のジェイムズ・エルロイ原作ってことで、情報公開から首を長くして待っていた一作。これは惨殺されるエリザベス・ショート役のミア・カーシュナーの似な絵…

サブカル世代=1965年生まれに潜む「エンタテインメント志向」について吐露してみた

本広本―本広克行の誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくい映画監督のすべてについて教えましょう (キネ旬ムック)作者: 本広克行出版社/メーカー: キネマ旬報社発売日: 2006/09/01メディア: ムック クリック: 9回この商品を含むブログ (3件) を見る…

「貴方に本当に音楽が必要なのか?」70%の浮遊層を動かす、モチベーションの創造ビジネス

先日、装丁デザインがアップしたタイミングを見計らって、私が執筆参加したインタビュー集『イエロー・マジック・オーケストラ』を紹介させていただいた。わざわざ取り上げた理由は、制作進行の遅れもあって内容変更の通知が徹底しておらず、ネット通販など…

『少年宝島』用不採用プロット大公開の巻

今から20年前にJICC出版局(現・宝島社)から創刊された『少年宝島』という漫画雑誌があったのをご存じか? 永井豪が巻頭連載を飾る、同社初の本格漫画雑誌として鳴り物入りで登場したのだが、結局大手出版社の人気漫画誌には勝てずにわずか数ヶ月で休刊とな…

クレーマーの行動パターンに関する悲喜こもごも。

昨日オンエアされた『報道特捜プロジェクト』(日本テレビ)の「イマイが暴く!」のスペシャルが面白かった。これは月一で土曜日昼に放送されている、特集中心の報道番組の人気コーナーの一つ。架空請求や振り込め詐欺、違法な海外宝くじ業者など、ダイレク…

無題:深夜の初台バーミヤンにて。メニューが入れ替わっていて少々まごつく。

吾妻光良とスウィンギン・バッパーズの久々の新作『Seven & bi-dacade』が出る。昔から年齢不詳な人だが、私らの世代にとって吾妻氏は『たけしのスーパージョッキー』の音声マンとしておなじみ。 アヴリル・ラヴィーン。現代のライオット・ガールの象徴。発…

「ビジネスの非常識」が「ヒットのジョーシキ」と化すセオリー(レコード業界編)

新部署で過ごす私の目下のテーマは「いかにしてお金儲けを実現するか?」である。今までマイナーなテーマとチマチマ格闘していた私が、なにをかいわんやという話。昔、仕事していた角川書店がアスミック、エース・ピクチャーズ(現・アスミック・エース)の…

真夜中の人間の消費行動=“いなりずし理論”に、音楽業界再建のヒントあり!?

先週、本業のノルマに追われて更新を怠っていた時期のニュースだが、米タワーレコードが二度目の倒産の危機に襲われた(以前書いた通り、日本のタワレコは一昨年にMBOで完全な暖簾分けを果たしているため、今回の件による実害はない)。私も昔、仕事でシアト…

無題:初台バーミヤンにて。雨天の中、明日のプレゼン資料を作成中

連日、本業の仕事用の資料まとめが続く。更新が滞って申しわけありませぬ。1時間だけ中断して、ざっと手元の雑誌などから抜粋して、ヘッダ用のイラストだけちょこちょこ作業する。これが唯一の息抜きか。 『刑事マガジン』第二号より、リメイク版『犬神家の…

コレクターの人生の幕引きを考える。レンタルorダイ?

自分の家のレコード棚を放送局の資料室のように充実させたいという、子供のころからの男の夢がある。実際、先日もレコード会社の方からジャケットを借りたいという依頼があったばかり。存在を認められたというありがたいことなのだが、それほど街のアナログ…

無題:初台デニーズにて、雷で店に監禁状態に。

新譜『B'Day』が出たばかりのビヨンセ似な絵。明石家さんまが大のビヨンセファンなのだが、さんまのブラコン好きは志村けんのサルソウル好きと双璧だな。今年の27時間テレビでは、中居との好きな女性ベストテンやらなかったのが残念。 タッシェンの『Best Mo…

POP2*0的「欲しいレコードを必ず手に入れる方法」(精神論編)

人それぞれ、見ると嬉しい夢というのがあると思う。以前、私がよく見ては喜びにうなされていたタイプの夢に「初めて行ったレコード店で、探していた1枚が見つかった」というのがあった。前後に繋がっているストーリーはなくて、ただレコード店に行ってお目当…

教科書に書いてない「極私的テレビドラマ・サントラの世界」その1

このところ「記憶力のトライアスロン」と化している本ブログである。人間というのは忘れ物をした時などに、その場で必死に思い出すことをせずに「ま、いっか」とかで済ませてしまうと、ブチ切れたシナプスが分断されたまま、記憶の回路が途切れてしまうよう…

元祖“声フェチ”のオッサンが、近年の「声優ブーム」を斬る!

以前、渋谷系に関するエントリーで、フリッパーズ・ギターの音楽性を決定づけたのが、ヴォーカリストの小山田圭吾の声にあったのではという仮説を立ててみた。ロック発祥の地であるアメリカの、圧倒的にパワフルなアングロサクソン民族や、カンツォーネで喉…

『momoco』時代の思い出とアイドルの顔に関する考察

一昨日のエントリーで、物事を表現する時に、必要なのは「表現力」よりも「観察力」ではないかと私は書いた。絵が下手だというのは、表現が下手なのではなく、空間認識力がないという理屈だ。いくら描き方を勉強しても、上手くならない人がいるのは、その根…

誰でも上達する! POP2*0的「マンガの描き方講座」

私がブログを始めて、まわりの友人から意外だと指摘されることが多いのは、ヘッダのイラストを自分で描いているということ。『ニュータイプ』や『momoco』時代は、ミニコミの延長上でまわりからヘタウマ画を描かされたりはあったが、なにぶん若いころの話。…

無題:西新宿のジョナサンにて読書しながらツラツラと。

『日本映画のパンク時代1975‐1987』(愛育社)より、現在新作『LOFT』が公開間近の黒沢清の似な絵。同書はPFFやパロディアス・ユニティの時代を「日本映画パンク時代」と定義したインタビュー集で、読んでいて高校時代の映画熱が再燃させられた。並行してイ…

お父さん世代限定企画Part2「中学生のための正しいロック布教の手引き」

以前、私がロックを聴き始めたきっかけが「5歳年上のお姉さんに好かれたいという下心から始まった」という話を吐露してみた。実を言えば、そのお姉さんには同学年の彼氏もいたのだが、私はそのお兄さんのことも慕っていたのだ。そういう年上の世代全体に憧れ…

無題:中野坂上のサイゼリアで、今後のことをツラツラ考える。

最近、ブログをやってるのがバレて、友達から連絡をもらうことが増えた。で、いつネームを書いているかとよく聞かれるのだが、だいたい仕事が終わって帰路についた11時ぐらいに、途中でファミレスに立ち寄って、そこでモバイルでちょこちょこ書いて、朝方ぐ…