2006-01-01から1年間の記事一覧
このところ「記憶力のトライアスロン」と化している本ブログである。人間というのは忘れ物をした時などに、その場で必死に思い出すことをせずに「ま、いっか」とかで済ませてしまうと、ブチ切れたシナプスが分断されたまま、記憶の回路が途切れてしまうよう…
以前、渋谷系に関するエントリーで、フリッパーズ・ギターの音楽性を決定づけたのが、ヴォーカリストの小山田圭吾の声にあったのではという仮説を立ててみた。ロック発祥の地であるアメリカの、圧倒的にパワフルなアングロサクソン民族や、カンツォーネで喉…
拙著『電子音楽 in the(lost)world』では、60〜80年代にリリースされた国内外の電子音楽、シンセサイザーのレコードの主なものを1600枚紹介している。取り上げた作品は各国のコレクター氏とコンタクトをとって集めたものだが、この取材中に筆者が気付かされ…
先日のエントリーで、80年代初頭に登場したばかりのころの黎明期のCD(CDDA)の歴史を紹介した。レコード業界から消費者の意識が離れるきっかけを招いたと言われるCCCD(コピーコントロールCD)も、原理的にはCD(CDDA)と同じもので、PC用のCDドライブのみ…
一昨日のエントリーで、物事を表現する時に、必要なのは「表現力」よりも「観察力」ではないかと私は書いた。絵が下手だというのは、表現が下手なのではなく、空間認識力がないという理屈だ。いくら描き方を勉強しても、上手くならない人がいるのは、その根…
私がブログを始めて、まわりの友人から意外だと指摘されることが多いのは、ヘッダのイラストを自分で描いているということ。『ニュータイプ』や『momoco』時代は、ミニコミの延長上でまわりからヘタウマ画を描かされたりはあったが、なにぶん若いころの話。…
今年の初め、週刊誌でハードウエア紹介ページのデスク担当だった私らにとって、W杯と並んで大きな話題だったのが春のソニーのゲーム機「PS3(プレイステーション3)」発売の話題だった。私は一切ゲームはやらないし、私のまわりでもゲーム離れはけっこう進ん…
コメディードラマ・ソングブックアーティスト: テレビ主題歌,貝がら,山口いづみ,シンガーズ・スリー出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(M)発売日: 1999/08/21メディア: CD購入: 2人 クリック: 49回この商品を含むブログ (8件) を見る 昔、コーネリアスがセカンド…
『日本映画のパンク時代1975‐1987』(愛育社)より、現在新作『LOFT』が公開間近の黒沢清の似な絵。同書はPFFやパロディアス・ユニティの時代を「日本映画パンク時代」と定義したインタビュー集で、読んでいて高校時代の映画熱が再燃させられた。並行してイ…
「ケロロ軍曹」オリジナルサウンドケロックアーティスト: TVサントラ,いはたじゅり,鈴木さえ子 with TOMISIRO,鈴木さえ子,掛川陽介,本澤尚之出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2004/07/21メディア: CD購入: 1人 クリック: 15回この商品を…
今から20年前、私の編集者としてのキャリアが『ニュータイプ』(角川書店)というアニメ雑誌から始まったことは以前にも触れた。元『美術手帳』の編集者が立ち上げた『ニュータイプ』はかなり個性的なアニメ雑誌だった。だが、黎明期のアニメ雑誌界はこれに…
先日、高橋幸宏のアポロン時代のビデオのDVD復刻のお手伝いをさせていただいたことは別エントリーで書かせてもらったが、こうした復刻は実は幸せなパターンである。あの2タイトルはオリジナルの発売元であったアポロンの解散の前に、幸宏氏の事務所に権利委…
以前、私がロックを聴き始めたきっかけが「5歳年上のお姉さんに好かれたいという下心から始まった」という話を吐露してみた。実を言えば、そのお姉さんには同学年の彼氏もいたのだが、私はそのお兄さんのことも慕っていたのだ。そういう年上の世代全体に憧れ…
最近、ブログをやってるのがバレて、友達から連絡をもらうことが増えた。で、いつネームを書いているかとよく聞かれるのだが、だいたい仕事が終わって帰路についた11時ぐらいに、途中でファミレスに立ち寄って、そこでモバイルでちょこちょこ書いて、朝方ぐ…
この問題提起は、私が以前在籍していた週刊誌の連載陣であったライターのI嬢から投げかけられたものである。「なぜとは?」「女性はBOXセットが大好物ではないのか?」……。で、周辺聞き込み調査をしたところ、まわりの女性陣からも同様の回答が得られてしま…
TOKYO STYLE (ちくま文庫)作者: 都築響一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2003/03/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 106回この商品を含むブログ (115件) を見る 高価ながら、青山ブックセンターでランキング上位に入り、フランスでも発売されて人気を…
FLY LIKE AN EAGLE: 30TH ANNIVERSARYアーティスト: Steve Miller出版社/メーカー: Capitol発売日: 2006/06/28メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る 最近の我が家のパワープレイ・ディスクと言えばこれ。76年リリースの、スティーヴ…
紫陽花の庭アーティスト: 湯川潮音,栗原正己,鈴木惣一朗出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 2006/06/14メディア: CD購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (115件) を見る 映画『リンダリンダリンダ』の中で、クライマックスの学園…
『CADMUS le robot de l'espace』(Philips) 『ガリバー旅行記』などのラジオドラマを出している、フィリップスのカラー絵本着き10inchお話レコードの一枚。脚本はジャン・ジャック・オリヴァー、構成は『フィフィ大空をゆく』(65)などを手掛けている監督…
先日、フリッパーズ・ギターを手掛けたプロデューサーのM氏にお会いした件はここで紹介した通りだが、いろいろ当時のお話を伺っていた中で、一つ興味深い話があった。フリッパーズの初期の取材に於いて、彼らのサウンドに対するマスコミの無理解が相当酷いも…
連日、コラムがどんどん長くなってしまって恐縮している。書き始めると止まらなくなってしまう。これも、日頃からデザイン先行(字数が決まっている)で原稿を書くことが多いことの反動なのだろう。80年代ネタだけに「オモツライ」とか言われちゃいそうだか…
東京大学「80年代地下文化論」講義作者: 宮沢章夫出版社/メーカー: 白夜書房発売日: 2006/07/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 57回この商品を含むブログ (123件) を見る■宮沢章夫『東京大学「80年代地下文化論」講義』(白夜書房)を読む 先日発売さ…
過日、当時のスタッフが90年代初頭のフリッパーズ・ギターと彼らを取り巻く時代について記した、某ブログのことを紹介させていただいた。ひっそりと始まったと思っていたのは小生だけのようで、現在、某ジャンル別ランキングでは第2位という驚異のアクセス数…
A&R〈上〉 (新潮文庫)作者: ビルフラナガン,Bill Flanagan,矢口誠出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/01メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 65回この商品を含むブログ (4件) を見るA&R〈下〉 (新潮文庫)作者: ビルフラナガン,Bill Flanagan,矢口誠出版社/…
ヴィンセント・プライス『Witchecraft〜Magic An Adventure In Demonology』(69)(Capitol) Vincent Price/Witchecraft〜Magic An Adventure In Demonologyエドガー・アラン・ポーの『アッシャー家の惨劇』ほか、FOXのホラー映画で一時代を築いた名優、ヴ…