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過去にはてなダイヤリーで連載してた連載コラムのアーカイヴです。

ustream放送局「ハンマーTV」開局! 森達彦vs.藤井丈司の「80年代プログラマー対決」パート2

(下は、出演者説明用のサンプル映像)



 昨晩(4月23日)のustream試験放送第5回にお付き合いいただいた皆様、ありがとうございますた。先に告知していた高画質配信のテストも、ほとんど問題なかったようで一安心。ついつい調子に乗って、3時間の予定が2時間もオーバーして計5時間のロングラン放送に。やってる側は操作にてんやわんやで、あっという間なんだけどねw ところが毎回やり方を変えて、コメント表示方法もさまざまなスタイルを試しているために、昨晩の放送ではTwitterで曲解説したコメントが、ほとんどustream画面横のTL(タイムライン)に反映されてなかったのが後から発覚。視聴者には、ただ黙々と曲をチェンジする不気味な番組にしか見えなかっただろうな……。
 ustreamにもコメント欄があるが、最近はTwitterによるコメント投稿が優勢。Twitterとの連動表示は後から付いた機能なので、ブラウザではなくTwitterクライアントから投稿した場合、ustream画面横のTLにどう反映されるのか、その兼ね合いがわかりにい。調べてみたら、自分の場合なら (@ugtklive live at http://ustre.am/foPp )というふうに、tweetの末尾にustのURLを付けて投稿すれば、ブラウザからでもTwitterクライアントからでも手段を選ばずに、ustream画面横のTLにそれが反映されることがわかった。よくust中継番組で、ハッシュタグ(#)付きのキーワードで、パネラーへの質問を募集してるのを見かけるけど、あれがそのままTLに反映されると便利なのにねえ。(追記:ustreamのadvanced画面にハッシュタグの設定があるが、何度テストしても反映されなかった)
 ところで、こうして延々とustream中継を使ったゲリラ放送を重ねているのにはワケがある。やっと皆様にご報告できるのが嬉しい。ワタシが世話人として、来週、プロデューサーの森達彦氏が主宰するハンマーレーベルの専用チャンネル「ハンマーTV(hammertv)」が開局することになった。音楽関連のレーベルということで、やっぱり音がないとサビシイので、最初は少々ゲリラなノリは残しつつやるだろうが、ustream日本語化の後も、音楽以外のトークなどのプログラムで、充実した内容の番組を続けていければと思っている次第。現在使っているパーソナルの「ugtktv」のアカウントは、あと数回試験放送をした後に閉じるつもりだが、これと入れ替わりにワタシが関わった正規のプログラムを、「ハンマーTV」のほうからお届けできればと思っている。
 して、その開局記念番組(笑)が決定! 来週29日(木曜日)21時スタートの3時間番組(予定)として、レーベルオーナーのプロデューサー森達彦氏と、同じく80年代にプログラマーとして活躍した藤井丈司氏の対談番組をお送りする。2人はプログラマー時代に、片やムーンライダーズ、片や後期YMOのスタッフとして活躍したライバルのような関係。ちょうど松武氏と入れ替わりに、『浮気なぼくら』からYMOのプログラミングを担当しているのが藤井氏という縁もあるので、昨年12月にロフトプラスワンでやった、松武秀樹vs.森達彦の「80年代プログラマー対決」の第2戦のようなノリで、当時の制作現場の話などをクローズアップできればと思っている。ワタシはカメラ操作、進行、影ナレを担当。ホストは森達彦氏が務める。今回のゲスト、藤井氏のプロフィールは以下の通り。


藤井丈司
(プロデュース/アレンジ/ソングライティング/プログラミング)
 80年代中ごろよりプログラマー活動をスタートさせ、YMOサザンオールスターズなどの作品に参加。プログラマーの視点からアレンジにも関わるようになり、桑田佳祐KEISUKE KUWATA』、布袋寅泰『GUITARHYTHM』、ローザ・ルクセンブルグ『II』で共同プロデューサーを務めた。90年代はプロデューサー/アレンジャーとして、SPIRAL LIFENOKKOTEI TOWA仲井戸麗市など、幅広いジャンルで活躍。玉置浩二「田園」、広末涼子「大スキ!」、ジュディアンドマリー「クラシック」、ウルフルズ明日があるさ」などにも関わった。00年代より、LOST IN TIMEスムルース安藤裕子アナログフィッシュ、シガキマサキ、PhilHarmoUniQue、LITEなどのインディーズのバンドプロデュース、新人発掘も。99〜01年には、宮本亜門演出のミュージカル『ボーイズタイム』『くるみ割り人形』の音楽監督を務めている。
 藤井丈司氏は、YMOが所属していたヨロシタミュージック出身。その後、TOPというプログラマー集団を率いて、80年代からプロデューサーとして精力的に活動してきた。エンジニア/プロデューサーの飯尾芳史氏、アレンジャー/プロデューサーの小林武史氏もここの出身。立花ハジメ氏、飯尾芳史氏とのテクノユニット「Techies」も有名。拙者が編集者として在籍していた『Techii』時代には、連載を担当させてもらい、若輩者にいろいろご指導いただいた、24年越しの古〜い関係があったのだ。
 ハードウエアを取り上げる珍しい音楽雑誌だったこともあり、『Techii』時代はよくスタジオ取材をさせてもらったが、当時のレコーディング作業を見学していて思ったのは、サウンド作りの鍵を握っていたのが実はプログラマーであったこと。84年にMIDI規格がスタートし、DTMが一般に普及する前夜の話。ディレクターが指揮し、アレンジャーが譜面を起こすといった作業基盤は従来通りだが、シンセサイザーやサンプリングがサウンドの中核を担うようになった80年代からは、例えばスネアドラムの「音の品質」を決定づけていたのは、彼らプログラマーの存在だった。日本のロックが現在のように「洋楽のようなサウンド」を獲得していく過程で、プログラマーやミキシング・エンジニアら技術者が果たした役割は大きい。ビートルズのエンジニアだったジェフ・エメリックの自伝『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』が、ジョージ・マーティンの著述以上に真実を伝えていたように、まだまだ語られていない、テクニカル・スタッフしか知らない、80年代サウンドの秘密はたくさんあるのだ。
 前回のロフトプラスワンの「松武秀樹vs.森達彦」のスタイルを踏襲し、3時間を3部に分けて構成。2人がプログラマーになった経緯、ムーンライダーズ坂本龍一のレコーディング現場のエピソードなどを、対談形式でお届けする。一部、当時の珍しい映像なども交える予定なので、ファンは見逃せない内容になるだろう(アーカイヴ化も考えているが、とりあえずは本放送のみの予定)。
 して、その番組で初めて、視聴者からリアルタイムでtweetしてもらった感想や質問を、パネラーの2人にぶつけるという生放送らしい企画をやる予定。『ケータイ大喜利』に大いに刺激を受けますた(笑)。そこで、冒頭に書いたTwitterとの連動のためのお願いが。PCで観られる方はそのままustreamの画面横のTLから投稿すればOKだが、Twitterクライアントを使う場合は、末尾にハッシュタグ「#hammertv」を付けて投稿よろしく。くわしくは当日、スタート後にも改めて説明する予定。番組の最後には質問コーナーを設ける予定で、2人に直接聞いてみたいという質問があれば、そのタイミングで寄せていただきたい。むろんパネラーに精神的な余裕があれば、TLに表示された視聴者からの感想などを、番組内容に反映してお届けできればと思っている。ustreamにはもちろん、専用のコメント欄があるのだが、TwitterのTLと同時に表示できないのがツライところ。そこで今回は、感想や質問はTwitterに一本化してお寄せいただければ幸いである。
 Twitter内容とustreamの画面のTLとの連動は以下の図の通り。





 とりあえずはやってみなけりゃわからないということで、映像制作の初心者が、このためにウェブカメラを新調して始める素人放送からのスタートなので、どうか優しい目で見届けておくんなまし。
 そらのさんの「ダダ漏れ放送」は、特に何かをしたいという目的はないように見えるので、番組内容への共感はあまりないが、音楽番組局として先行している「dommune」には大いに刺激された。さすが宇川直弘氏! 「自分もdommuneのスタッフ」と自称される音楽ライターがたくさんおられるようだが、宇川氏に多大な影響を受けつつも、自分は自分のスタイルでやれればよいかな。せっかくustreamは、誰もが使える技術を提供してくれてるわけで、群れる必要はないしね。それが刺激を与えてもらった宇川氏に対する誠意だと思っている。といいつつも「dommune」のような専用スタジオがないところからスタートなので、第1回はなんと、MI7のご厚意で、そちらのスタジオの場所をお借りしてお送りする。どうか、「ハンマーTV」をフォローよろしく。