POP2*5

過去にはてなダイヤリーで連載してた連載コラムのアーカイヴです。

謎のムービー「がんばれ!なかやま教授」の作者の正体は、安西史孝氏なのだ。

(↓今年のエイプリルフールネタとして投稿したマンガより抜粋)



 ここの読者なら、ご存じの方もいるだろう。YouTubeニコニコ動画などで「これはプロの仕業?」と噂になった「がんばれ!なかやま教授」という、ヴォーカロイドが歌う謎のムービー。完成版が先日公開されるやいなや、すぐに正体がバレてしまったが、その首謀者は、小生もリリースをお手伝いしている元TPOのメンバーで、『うる星やつら』の音楽などで知られる安西史孝氏。ワタシが一昨年前に「Perfume初音ミクだ」と大騒ぎしていたころから、あくまで洒落としてヴォーカロイドを使ったノヴェルティ・ソングを作り、仲間内で聴かせていた安西氏。それが好評だったため、この度リミックスして、フルサイズのヴァージョンが公開されたばかり。実際、クリプトンのヴォーカロイドを使ったアンビエント風の曲も別にアップしておられるが、安西氏はもともとマッキントッシュ・ユーザー。今回の「がんばれ!なかやま教授」は、マック用として初めて登場した、Reason用のRifillデータ「Mac音ナナ」が使われている。安西氏曰く、初音ミクの調教どころじゃないほど、Rifillデータ「Mac音ナナ」はまだ商品として未完成らしく、歌わせるのに大変な苦労があったそうだが、そんなトラブルも微塵に感じさせないポップな仕上がり。
 しかもこのレゴを使ったムービー、アニメーション映像も安西氏が手掛けたものなのだ。ゴドレイ&クレーム、トッド・ラングレンなど、技術に強いミュージシャンが音楽から映像に傾倒していく例は過去にも多いが、安西氏もご多分に漏れず、自身のブログに書いておられるように近年は映像分野に進出。『ウォレスとグルミット』みたいな人形アニメーションを長期間かけてコツコツと作っている。日本のアニメーション作家が米アカデミー賞で続けて受賞するなど、個人ベースの映像創作がコンテンツとして注目されている昨今。自身で権利を保有して、長期的に利益を回収していく賢いプランを立て、現在もYouTubeでそのパイロット版を世界に公開し、スポンサーを募ったりといった国際展開をしている。「がんばれ!なかやま教授」は、日本向けのいわばそのプロモーションツール的なもので、現在は2作目も進行中。本業がミュージシャンと思えないほど、プロはだしのアニメ作家ぶりに驚くが、なにしろ年季の入った『サンダーバード』などのマリオネーション・ファン。それが高じてジェリー・アンダーソン作品の音楽まで手掛けちゃった人であるから、推して知るべし(その一部は、樋口真嗣プロデュースのDVD『ロックドリルの世界』で流用音源として聴ける)。
 安西氏のブログでもちょろっと触れられていた通り、昨年末の『テクノ歌謡アルティメット・コレクション』に続き、ワタシも関わっている年末にリリースするオムニバスCDにも曲提供してもらったりと、このところ安西氏とは頻繁に連絡を取っており、毎回その博識ぶりには頭が下がりまする。先日やっと『TPO1』続く復刻第2弾、プロジェクト・グリーン『グリーン』がお目見えしたばかりだが、続くリリース計画も現在進行中。詳細が決まったら、またここのブログで紹介させていただく予定である。



 映像の綺麗なHD版が上がっているYouTube版のほか、上記ニコニコ動画版もあり。自作自演コメなんか書いてないっつの!(笑)