POP2*5

過去にはてなダイヤリーで連載してた連載コラムのアーカイヴです。

うさきマンガシリーズ(アーカイヴス)

■ペットセメタリー



 これは昨日描き上げてアップしたやつ。時間があまりなかったんで、修正もせず勢いだけで描いてるから、すごくテキトーな仕上がりですいませぬ。
 実は「猫マンガ」を描き始めてしばらくたってからのこと。某「pi●iv」には猫ネタの投稿がかなり多く、しかも二本足でメイド服着させてニャーと媚びさせるみたいな、「平沢も猫もいっしょじゃねーか、顔が!」みたいな投稿ばかりに得票数が集まるイヤ〜な雰囲気があったもんだから、新参者は目立たないしと思って、猫以外の動物のモチーフはないものかと模索していた時期がありまして。新宿紀伊國屋書店の動物写真集のコーナーなんかをよく覗きに行って、今はやりのミラバケッソCMの「アルパカ」とか、牛丼の友「カピパラ」とか、いまさら「ゴマフアザラシ」なんかの写真集を手にとって、ネタにならないかと研究してたわけなんですわ。幼猫の魅力に太刀打ちできる「これだっ」という最右翼アニマルとして、『天才!志村どうぶつ園』の青木さやかの回でおなじみのコツメカワウソを是非! と思って資料集めを始めてみたんだけど、いがらしみきおの『ぼのぼの』が一時期あれだけヒットしたってのに、カワウソの写真集って皆無なんだよね。まあ、顔は殺人的にカワイイけど生態はよく知らないカワウソじゃ、マンガのアイデアなんかまったく浮かばないしってことで諦めて、次点としてマークしていたのがうさぎちゃん。
 不景気で借り手がいないんで、大家もずいぶんおおらかになったと言われる昨今のペット住宅事情。それまでは、猫を飼いたくても飼えない家は、もっぱら代わりにうさぎを飼ってたもんだが、ミッフィーが未だあれだけ国民的アイドル人気があるってのに、うさぎのペット人気ってすでに下火みたい。後から上陸したモルモットにポストを食われちゃったってのもあるし、最近では、ペット史上もっとも手が掛からないと言われるフェレットに、完全に市場を明けわたしてしまったらしい。ペット観察系のブログ・ランキングを見れば、その比率は顕著なんだが、年がら年中トラブル含みのブログネタを提供してくれる猫ちゃんに比べれば、うさぎってのは泣きもせず、ただメシ喰ってるだけだから、逆にブロガーの飼い主泣かせというか。小生が調べてみたら、とりあえず3冊ぐらいうさぎ写真集ってのが出てるらしくて、買ってみたんだけどまあ見事なポーカーフェイスぶりで。自分がこれの編集者だったとしたらどうしようとあらぬ心配するほど(笑)、動物写真集というキャッチーさのかけらもない、デストロイな内容であった。しかし、この死んでるのか生きてるのかすら判別の難しいうさぎの表情に、なにか深遠なモノを感じる部分もあり、吹き出しを付けてテキトーな台詞を言わせてみたら、ちょっとしたマジックが生まれる感触がありまして。そこで試しに描いてみたのが、以下のうさぎシリーズ。


■うさぎトーク



■うさぎトーク(一部、写真集『うさぎのきもち』を参照しました)

 基本的に猫と違って、うさぎの知能はアホほどしかないんだと思うが、ある種の真理を語らせるとグッと光る感じがある。天然ボケの庭師が大統領の相談役になって国政を動かす、ハル・アシュビー監督の映画『チャンス』のピーター・セラーズ的佇まいというか。あと、YouTubeにもちょっとだけ上がってるけど、うさぎの交尾ってのは、猫とはまた違う独特な淫靡さがあるんだよね。うさぎの発情期の映像も、観てる側のモラルが問われてるみたいで、切なくなってくる……って、オレはヘンタイかよ(笑)。


滝川クリステルとうさぎ

 フジテレビの『ニュースJAPAN』である日突然、何の前ぶれもなく松本方哉がうさぎに入れ替わったとしても、観てる人はあまり気づかないかもしれない空気のような存在感。それを実際に絵にしてみたのがコレ。しかしこれでネタが尽きて、うさぎシリーズは終了とあいなった。合掌。