POP2*5

過去にはてなダイヤリーで連載してた連載コラムのアーカイヴです。

よしもとクリエイティブエージェンシー制作『新世紀エヴァンゲリオン』実写版




 今年のエイプリルフールは、各インターネットポータルも嘘ニュース配信で盛り上がってましたな。小生も姑息に嘘ニュースを配信しようと計画中だったのに、たまたま3月末に仕事が集中しちゃったもんだから、4日も後にネタが完成して、かなりお寒いことになってしまった。今年の嘘ニュースでもっとも話題になったのは「つんく♂ハロプロ卒業」の記事だったけど、本人はそんなつもり毛頭ない100パーセントのジョークだったのに、ビミョーな時期の発言だったこともあって、つんく♂シンパのハロプロファンまでがまったく疑わず、つんく♂離脱後のハロプロについてかなり建設的な会話を交わしたりして(笑)。「実は嘘でした〜」と後から訂正するのも、そーとー勇気がいったのではないかと。Yahoo!が配信した「エヴァ実写化」の嘘ニュースも、なすびみたいな顔で実写化される『鉄腕アトム』や上映中なのにパッとしない『ドラゴンボール』みたいに、ハリウッド産実写リメイクが悲しい状況になってたから、信じるよりもなによりも、ほとんどのエヴァファンが話題にするのもはばかられるようなムードであった。そんな中で気を吐いていたのが、各動画サイトで配信されていたヨシモト芸人のエヴァパロディ。ケンコバも昔はかなりスィーツな『マーマレード・ボーイ』を持ちネタにしてたし、若井おさむや桜の稲垣早希みたいなアニメ芸人がちょうど揃ってきたこともあって、お仕着せじゃない現場のホットなノリを感じる映像になってたのが面白かった。しかし、森三中唯一の独身になってしまった黒沢のシュールなギャグ。女板尾さんみたいになりつつあるな(笑)。
 ところで、最近ずっと持ち歩いていて合間合間を見計らって読んでいるのが、小生も15年前にイベントでよくお世話になっていた、ケラリーノ・サンドロヴィッチことケラ氏の本『映画嫌い』(祥伝社)。劇場作品第3作に当たる『罪とか罰とか』公開記念で出されたフィルモグラフィ本なんだけど、これがケラ氏の監督業へのシニカルな批評になっていて、読んでいて心臓がドキドキしてしまう罪作りな一冊。『1980』も『グミ・チョコレート・パイン』もちゃんと観てDVDも買ってる小生だが、いつも見ながらちょっとだけ違和感を感じることがあり、それが前作の『グミチョコ』では、かなりの重みになって映画を見続けることを困難にさせていた。舞台裏で起こっていたことが克明に書かれているこの本で、いかに監督業が困難なものかというのを知り、ほんの少しだけだが疑念が氷塊するのを感じてホッとしている。しかし、あれだけの映画博士のケラ氏でありながら、これほど映画を撮るということが困難だなんて。同じく「演劇より映画が好き」なタイプの劇作家である元東京サンシャインボーイズ三谷幸喜が、わりと堅実に映画監督のキャリアを重ねているように見えるために、よけいにケラ氏の映画監督としての行く末に、ファンの一人としていらぬ心配をしてしまう。数ページ読んでは別のことを考えてしまい、なかなか読み進められない状況が続いている。どうしたものか。
 いや、実は勝手に小生自身の問題に重ねてこの本を読んでいるから、なかなか読み進められないわけなんだよな。本来なら当ブログは『POP2*5』と名前を変えて、『今日の猫村さん』や『ぼく、オタリーマン。』みたいなマンガ連載ブログにリニューアルするつもりだったんだけど、けっこう思ってたアテが外れて、なかなか新装開店できない事情がありまして。それで言い訳がましく、改装中だってのに大量の新原稿をアップしちゃってる状況が続いている。文章は不毛だからあれほど書かないって決めてたのに……。けっこう爆笑できる長編コミック用のコンテができてるんだけど、ちょっとしたボタンの掛け違えでリニューアルしにくい事情がありまして、ひょっとして『POP2*5』はずーっと始まらないかもしれない気配も。この中途半端な文章+マンガの「新装開店準備ページ」が、永遠に続くと思うとゾッとする(笑)。とりあえず、ヘッダ用の猫ちゃんの挿絵を描きためねばだな。
 『POP2*5』へのリニューアルは、本当に「脱編集者>マンガ原作者」への大がかりな転身を計画してのことで、あいかわらずアホなマンガだなあと思われるかもしれないが、本人はかなりマジで模索してる状況でありまして。で、小生自身がマンガにさっぱりくわしくない分、まわりにいるヘヴィーなマンガ読みの方々にいろいろ教示いただこうかと考えていたのに、けっこう冷たくあしらわれている始末で。「作品見て一言」と言っても、「観たくない」「あえて観ない」ってこうだもんなあ。これまでマンガなんてまったく関わりのなかった小生が、ただ業界生き残りのために甘い汁を吸おうと近づいているのが、マンガを真剣に愛する方々には不遜に見えてしまうのか。
 しかし、『電子音楽 in JAPAN』を書く前に企画をいろんな人に持ち込んでいたときも、同じぐらいまわりの友達や出版社から冷たくされた経験があるので(『クイックジャパン』の編集者とかいう人にエラそうに講釈を垂れられて頭に来たりw)、こればっかりは他人に頼らず小生自身が気を引き締めて、不退転の気持ちで臨まねばならないってことなんだな。
 まあしばらくは、こんな調子が続きますが、ドーゾよろしく。



最後に、ヨシモト版『新世紀エヴァンゲリオン』の本編を載せておく。