POP2*5

過去にはてなダイヤリーで連載してた連載コラムのアーカイヴです。

マニアの受難

 マニアックな音楽ネタをルポマンガ風にできないかという企画を某編集部にプレゼンするために、1月末ごろに作ったプロトタイプのひとつ。以前、このブログにも書いた我が体験談をマンガの絵柄に則してアレンジしてみたもの。





 「衒学ネタマンガはいまどきウケない」と某編集者から指摘を受けたものの、「そんなこともないんじゃないかなあ」と思って某コミックSNSに1月に登録早々、これを上げてみたのですが反応はお寒いばかり……。まあ、ここが毎日発表しているユーザー投票による人気ランキングの上位作品を見ていても、アニメ風のイラストばっかりだから場違いってのもあるんだろうけど。しかし、今朝のニュースに載ってたけど、「pixiv会員数70万人突破」だって。すごい。会社でまったくページビューの増えない公式ウェブ運営を任されてた時期が長かったもんで、自らがコンテンツを用意しなくてもこれだけ会員数が短期間に増えるなんて神風だよね。一部では「mixi以来のサブカルSNSの成功モデル」なんて書かれてたりもする。
 「mixi」が今春から紹介制の枠を取っ払って、会員のさらなる獲得のために任意参加にするらしいけど、もうそうなるとホントはSNSである意味がない。それもこれも、事業収入が会員数やページビューに依存するバナーやアフィリエイトしかないためで、月間数百万円のサーバ代を捻出するには会員数を増やすしかないというやむを得ぬ選択があるんだろうけど。あの「ニコニコ動画」ですら、未だ赤字更新中らしいし。一説によると、「pixiv」急成長の理由は、「mixi」のようなパッシブ(受け身)な同好会型SNSの飽和化に理由があるという。全国に散らばるマニアックな趣味の同好の士と知り合えるとはいえ、所詮ファンの集まりでは相手の存在を確認するかコレクションを開陳するぐらいでマンネリ化は避けられず、世の中に影響を及ぼすような動きがそこから起こるとは思えない。携帯の動画機能を使って手軽に投稿できる、クリエイターになれる最短コースとして「ニコニコ動画」が人気を集めるのも、その反動としてよくわかる。可愛いペットでも飼っていれば、観察日記をビデオ投稿するだけで「うp主は神」と讃えられる世界。けれども、動画をキレイにアップするにはけっこうスキルもいるので、実情はそれほど簡単じゃないはず。そんななかで、わりと手軽に発信者としてクリエイター参加できるのが、実は灯台もと暗しのマンガ(イラスト、落書きなども含む)だったというのが、「pixiv」急成長の理由だったりするらしい。90年代初頭の「渋谷系ブーム」のころ、センター街にライカのカメラをぶら下げた“ヒロミックスもどき”の女子高生が大量発生したことがあったけど、確かに写真とかイラストって、クリエイターとして自らが発信できる最短の方法だからね。