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過去にはてなダイヤリーで連載してた連載コラムのアーカイヴです。

電子書籍『MUSIC LIFE plus』(シンコー・ミュージック)12月15日より無料ダウンロード公開中!




 以前よりTwitterで告知していた、ワタシが編集者として参加したiPadiPhone)向け電子書籍形態のフリーマガジン『MUSIC LIFE plus』がやっと完成。12月15日より、iTunesストアで無料ダウンロード公開中である。ページ数トータルにして500ページ。創刊号特集はザ・ビートルズで、貴重なシンコー・ミュージックのアーカイヴ写真がふんだんに使われて、なんと値段は無料! いかに大盤振る舞いなのかは、実際にダウンロードして中身の充実ぶりを見ればわかるはず。記事、写真のみならず、インタビュー音声、映画予告編のムービーなど、電子書籍のサンプルらしい仕掛けをいろいろ講じているので、ぜひお試しいただきたい。
 5月のiPad発売以降、電子書籍については個人的にいろいろ研究してきたが、ハードは売れてるのにも関わらず、オリジナル電子書籍形態の雑誌はほとんど出てこないというサビシイ状況が。そこで一計を案じ、どこよりも先にインパクトのある新雑誌を刊行して、世間をあっと言わせればということで、無料誌として刊行した次第。「これ、どういうふうにマネタイズしてるの?」という質問もあろうが、すべては採算度外視で、まずは作ってみようと始まったもの。話題作りでファンを集めて、ここから何か新しいムーブメントを起こせればと考えての策である。これが成功しなければ次はないのが世の常でして、もし読んで気に入ってもらえたら、iPadiPhone)ユーザーの友人にどんどん布教していただければありがたい。
 ご存じ『ミュージック・ライフ』は、かつて日本最大の発行部数を誇った国民的洋楽誌。ザ・ビートルズの単独取材を日本で初めて成功させた栄誉で知られる同誌だが、その後も、クイーン、ジャパン、チープ・トリックなど、本国で人気がくすぶっていたグループを発掘し、世界に紹介してきた「ロック黄金時代」を支えたメディアである。その電子書籍版として作られた『MUSIC LIFE plus』は、同社の貴重なアーカイヴをふんだんに使用し、あの時代の証言者たちのインタビューを盛り込んで、トータル500ページというボリューミィな内容に仕上がった。無料で出せたのは、ひとえにご協力いただいた出演者、ライター陣のおかげ。ありがたや。想定読者は、70〜80年代に『ミュージック・ライフ』読者だった40代の男性、女性。大人になった現在の視点から、「ロック黄金時代」を懐かしんでいただければ本望である。
 ワタシはこのうち、写真構成の「ザ・ビートルズ・ミーツ『ミュージック・ライフ』」、「星加ルミ子インタビュー」、「ビートルズ・リマスター音源再入門」、立川直樹×森永博志「シャングリラ2.0」、ノーナ・リーヴス西寺郷太マイケル・ジャクソン×ザ・ビートルズ」、「ザ・プロデューサーズ 石坂敬一」、「倉本美津留インタビュー」、ディスクレビューなどの執筆を担当。サエキけんぞう氏のコラム、ピーター・バラカン氏のインタビュー、本秀康氏のコミック「ビートルさん」(なんと『レコスケくん』のスピンアウト企画!)などの編集、フォノシートのリッピングなど、もろもろで半分以上のページの実作業に関わっている。一冊のうちこれだけの量のページを手掛けたのは、昨年編集で関わった『DS-10 PLUS』限定版の付属冊子以来かも。
 ちなみにこれ、iTunesアプリとして刊行されたもので、iPadiPhone用のOSでしか見れないのは申し訳ありませぬ。シンコー・ミュージックの謹製ブラウザで読む仕掛けで、ここから『ミュージック・ライフ』のバックナンバー(広告入りのフルページ)を購入できる、キオスク形式になっている。